第6回 自分の「時間」をどう使う?

自分の時間働き方改革
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第5回では、ITエンジニアは、自分自身が0から1を生み出すスキルを持ってるという話をしました。

第6回は、自分の「時間」をどう使うべきか?について考えていきたいと思います。

パラレルワークの選択肢の一つとして

  1. 人から課題や仕事をもらって
  2. その課題解決や、作業にかかった時間の対価として
  3. 作業費を請求する

という方法があります。

私はこのタイプの仕事を、「受託開発」「工数ビジネス」から転じて

  • 自分の体や時間の対価として収益をえる
  • 肉体労働型ビジネス

と呼んでいます。

ビジネスに使う時間

ビジネスに使う時間は、何かをはじめる前に、一度は向き合っておいた方がいい重要なテーマだと考えています。

これは、営業やマーケティング的な側面からだけではなく、人生やその幸福度にも大きな影響を及ぼすためです。

新 3K 問題の本質

例えば、いわゆる新3K(きつい、厳しい、帰れない)の問題は、本質的には

  1. 肉体を使った時間が増えれば増えるほど・・
  2. その属している組織の収益がますますあがる・・

というビジネスモデルに依存していることに原因があると考えています。

組織のベクトルは、収益を増やすためには、そこで働く人の

  • 時間の長さ
  • 人数
  • 生産性

をあげることに向かいます。

つまり、その腕前がもとめられるビジネスモデルということです

働く時間とお金の関係

少し、話はそれますが・・、私が、働く時間とお金の関係そのものを理解するのに、とても腹落ちした話です。

「世界で最も貧しい大統領」と知られている、ムヒカ元ウルグアイ大統領は、1960年代にウルグアイのゲリラ活動に参加し、6発の銃弾を受け4度の逮捕(そのうち2回は脱獄)を経験し、その後13年近くもの収監中に9年間の独房生活を送り、出所後、政治家に転身し大統領になったそうです。

時間とお金に対する考え方

このムヒカ元ウルグアイ大統領が日本に来日した際のインタビューで語った、「時間とお金に対する」考え方がとても興味いのでご紹介します。

根本的な問題は君が何かを買うとき、お金で買っているわけではないということです。そのお金を得るために使った『時間』で買っているのです。請求書やクレジットカードローンなどを支払うために働く必要があるのなら、それは自由ではないのです

ムヒカ元ウクライナ大統領が日本に来日した際のインタビューで語った内容

「時間を売って」得たお金で、必要なものを「時間で支払う」

なんだか、不思議な感じがします。

お金=自分が費やした時間。

例えば、35年のローンで住宅を買う人は、それから35年の働く『未来の時間』を、住宅メーカー、不動産業者、銀行に支払う約束をするかわりに、家を手に入れるということです。その代償として、35年間の間は、少なくとも自分の働く『時間』を、自分の意思だけで『自由』にコントロールすることはできなくなります。

私が過去に起業しようとし、借金を負った当時には思いもつきませんでしたが、お金という名の「時間」にも負けたのだと、何故か10年以上もたって気づくことができました。

富裕層は、自分の時間だけで稼いでいない

視点はかわりますが、同じく時間とお金の関係を考える上で、私が目をさますきっかけになった記事です。

2016年1月18日、国際支援団体のオックスファムが発表した研究報告書によると、

  • 世界の富豪上位62人が持つ資産が世界の人口の半数に当たる約35億人の貧困者の資産総額に等しい
  • 世界の資産ランクで上位1%の富裕層が今では、残る99%の人々を合わせたよりも多くの富を保有している

一般的に、この記事は格差問題を問う意味で、ニュースになりました。

しかし、私は別の意味で再認識しました。

彼らの資産や富は、朝から晩まで、自分自身の時間を売って得られたものか?

少なくとも、自分の人月単価で請求書を発行するようなビジネスをしていないことは容易に想像がつきます。

最後に、ではどうするべきか?のヒントになるかもしれないデータをご紹介します。

自分の時間を効率よく投資するには

労働生産性と関連が強い指標である資本装備率(労働装備率)と呼ばれる指標があります。

これは、従業員一人当たりの有形固定資産額の割合を表したものです。

2016年度 製造業大企業1,089万円
中小企業731万円
小規模238万円
2016年度 非製造業大企業476万円
中小企業321万円
小規模161万円

製造業を見ると・・、

大企業は、小規模企業より「4.5倍」の武器をつかって稼いでいる。

非製造業を見ると・・、

大企業は、小規模企業より「3倍」の武器をつかって稼いでいる

例えば、大企業の社員が小規模企業の給料の2倍もらっているとした場合、大企業の社員は、自分の稼ぐ能力が、2倍あると考えてはいけない。

大企業の社員の稼ぐ力が低くても稼げる構造になっているということです。

自分の時間を投資する際の心構え

自分の時間という「誰にも限られた寿命」から「時間」の一部をビジネスに投資する際に、いかに「武器」「設備」「機械」「システム」を資産化し、社会が求める価値を創出させ、稼がせるか?

がとても重要になります。

よって、何かを始める前に、一度は立ち止まって考えておくといいと思います。

第6回、いかがだったでしょうか?次回は、ITエンジニアの資産価値をマーケティング的な視点でどうあげることができるかについて考えてみたいと思います。皆さんのご意見お待ちしております。

ブランコ先生

商社で勤務、国内→米国→欧州を転々とし、その後起業をめざしたが失敗、いくらかの借金を負い返済した後、現在は30人位のメンバーが新規に営業や開発をしなくても、月額収入だけで給料は確保されているビジネスにたずさわっています。

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